位置ゲームをはじめ、数々のソーシャルアプリを手がけるモバイルファクトリー。ネイティブアプリエンジニアを支援するチームを立ち上げ、責任者を務める丸山拓馬は、当社のサービス開発を牽引しています。新卒エンジニアとして入社した彼が、いかにして成長の道を歩んできたのか、そのストーリーをご覧ください。
「自分の手で会社を大きくしたい」——入社の決め手となった想い
2012年に新卒でモバイルファクトリーに入社した丸山は、学生時代は情報工学を専攻しており、プログラミングの基礎から応用まで幅広く習得。自分でプログラムを書くことが大好きで、さまざまなアプリやゲームの開発を行っていました。
丸山 「簡単なシューティングゲームを作ってみたり、機械学習を活用したアプリを開発してみたり……。当時はコンピューターのアルゴリズムやデータ構造を学びながら、いろんなものを作っていましたね」
学外のコンテストにも積極的に出場していた丸山。電子情報通信学会パターン認識・メディア理解研究会アルゴリズムコンテストでは2度受賞するなど、エンジニアとしてのスキルも評価されていました。
大学院を卒業したあとは、就職活動の道へ。大学院の研究でAndroidアプリを開発していたこともあり、就職先の候補となったのはモバイルアプリを手掛けている会社でした。
当時はソーシャルゲーム全盛の時代。モバイルアプリの開発を行う会社はたくさんあったのものの、学生時代に画像認識のアルゴリズムなどを勉強していた影響からか、丸山はモバイルファクトリーが手掛けていたアプリ「顔ちぇき!」(※2013年サービス終了)に興味を持ちます。
そして、さまざまな会社の面接を受けた結果、丸山はモバイルファクトリーで働くことを選びます。その理由は「会社が小さかったから」。
丸山 「社員数が多い会社に行ってしまうと、どうしても歯車になってしまう印象があって……。なにより、自分の手で会社を成長させていきたいと思っていたので、まだ50人規模(2012年当時)だったモバイルファクトリーに決めました」
入社直後にアサインされた新規プロジェクトは”大失敗“
入社後、丸山が配属されたのはモバイルコンテンツ事業部。そこでは着信音設定アプリ「PaPatto♪♪(ぱぱっと)」の開発を担当することになりました。当時はモバイルコンテンツ事業部にネイティブアプリを開発できるメンバーがいなかったため、丸山はどんどん活躍の幅を広げていきます。
そして入社して数ヶ月後、とある新規プロジェクトにアサインされます。動く壁紙アプリ「カベゲッティ」(※2013年サービス終了)の開発に携わることになったのです。
自社のゲームキャラクターの壁紙を配信しつつ、他社のゲームキャラクターの壁紙も配信する。ソーシャルゲーム全盛の時代で、数多くのタイトルが誕生していたため、マネタイズもあまり難しくないはず。そういった算段ではじまったプロジェクトでしたが……。
丸山 「結果は大失敗でした。サービスの集客が全然うまくいかなかったですし、課金率もすごく低かった。まったくイメージ通りにいきませんでしたね」
それまで単発のタイトルを続々とリリースしていた方針を転換し、一大プロジェクトとしてスタートしたカベゲッティですが事業継続のめどが立たずクローズ。丸山がはじめて携わった新規プロジェクトは、あえなく“失敗”という形で幕を閉じることになります。
丸山 「カベゲッティでは課金周りで失敗しました。ユーザーが課金できないというシステムの不具合が頻繁に発生していて……。アプリを開発するときには、早さが優先される場面と堅実さが優先される場面があることを思い知りましたね」
自分自身のミスを責める一方で、丸山はひとつの課題に気がつきます。当時のモバイルファクトリーには、ネイティブアプリエンジニアが圧倒的に足りていなかったのです。
「同じ失敗をしないために」会社初のネイティブアプリエンジニアの誕生
丸山が入社した頃のモバイルファクトリーには、ネイティブアプリエンジニアはまったくと言っていいほどいませんでしたが、時代の変化に合わせて経験者が徐々に増加。しかし、社内には正式に「ネイティブアプリエンジニア」という職種があったわけではなく、ましてや数が増えただけでは課題は解決しません。
丸山 「恋愛シミュレーションゲームのiOSアプリ、Androidアプリを開発していたとき、ネイティブアプリエンジニア間でのレベル感や知識量にバラつきがあって、コミュニケーションするときに困りましたし、これではクオリティが安定しないと思いました」
このままでは、自分と同じ失敗を繰り返す人が出てきてしまう……。
そう感じた丸山は、経営陣に上申して“職種”として確立させ、モバイルファクトリー初のネイティブアプリエンジニアに。また同時に、ネイティブアプリエンジニアチームを設立しました。
週に一度、メンバーみんなで話し合い、困っていることや学んだことを共有し、ネイティブアプリエンジニアが成長していく仕組み。ネイティブアプリに関心のあるエンジニアが一堂に会し、知見を高めあうのが狙いです。
丸山 「当時、フロントエンドではチームも結成されていて、他のエンジニアと業務が異なるネイティブアプリエンジニアにも絶対にチーム必要だと思いました。自分が経験した失敗を、他のメンバーがする必要はまったくない。そのためには、“組織”にするのが最適です」
チームのミッションは、「ネイティブアプリ開発に関わる『人』を継続的に支援すること」。
たとえば、Googleのマテリアルデザインなど新しい技術が登場したら、読書会を開いてその考え方を学んだり、社内勉強会で実際のプロジェクトで学んだノウハウをフィードバックしたり……。ネイティブアプリエンジニアのスキル向上やキャリアアップを支援する取り組みを行っていくことにしました。
スキルアップの支援をしつつ、自分の代名詞と呼べるサービスを生み出す
しかし、チームの運営は最初から上手くいったわけではありません。立ち上げ当初、自分が頑張って情報発信をしたり、勉強会に参加したりすれば、周りのみんなもついてきてくれるーー。そう思って孤軍奮闘していた丸山ですが、結果は“空回り”でした。
丸山 「学生時代、バスケ部の主将をしていた経験から、自分ひとりが頑張っても周りがついてこないことは理解していたんですけど……。同じ失敗をしていましたね。自分が頑張ることで自分は変わるかもしれないけど、それだけじゃ周りは変わらない。ひとりでたくさん頑張るより、みんながちょっと頑張る方が、大きな成果を上げられるんです」
そこに気づいてからは、「こうなったらいいね」というメンバーの意見を汲み上げ、チームとして果たすべきミッション、目指すビジョン、自分たちが発揮するべきバリューにまとめたのです。
ひとりで決めるのではなく、みんなで決めることにより、メンバーにも意識にも徐々に変化が訪れます。チームの存在を全員が自分ごと化するようになり、外部イベントや勉強会に参加し、インプットする量が多くなっていったのです。
丸山 「人に任せるとスピードは落ちるかもしれないけど、長期的に考えたら、任せたほうが圧倒的にいい。仮に僕がチームを抜けたとしても、ミッションやビジョン、チームとしての考え方が残ってくれると思います」
ネイティブアプリエンジニアチームの責任者として、メンバーのスキル向上・キャリアアップを支援している丸山。もちろん彼の業務はそれだけではなく、新規プロジェクトの仕込みを行っています。
丸山 「最初にアサインされたプロジェクトは失敗に終わってしまったのですが、自分も周りも、あの頃とは違う。○○と言えば丸山。丸山と言えば○○と、自分の代名詞と呼べるようなサービスを生み出すまでは、この仕事は辞められません」
個人のプログラミングスキルの向上だけでなく、モバイルファクトリーでチームを導く力も身につけた丸山。入社当初の想いの通り、彼の存在が会社の成長をさらに牽引してくれるはずです。
Text by PR Table