こんにちは!ネイティブアプリエンジニアの丸山です。
今回は2017年8月18日(金) ~20(日)に開催されたState of the map 2017についてレポートしたいと思います。
State of the mapとは?
年に1度開催されるOpen Street Mapプロジェクトの国際カンファレンスです。(日本語セッションも一部ありますが、ほぼ英語)
今年は、 2017年8月18日(金) ~20(日)の期間で、福島県会津若松市で開催されました。
Open Street Mapとは?
道路地図などの地理情報データを誰でも利用できることを目的としたプロジェクトです。 (地図のオープンデータプロジェクト)
プロジェクトは2006頃から始まりました。 初めは白地図の状態でしたが、今では世界中のコミッターの努力により、各国でかなり詳細な地図データが集まっています。
日本においては GoogleMapのデータの詳細性が高いのですが、 国/地域によってはOpenStreetMapがGoogleMapよりも詳細かつ最新の状態であることもあるようです。
セッション
個人的に面白かったおすすめのセッションを3つほど
Challenges of Japanese open data for public transportation
日本の公共交通機関のオープンデータ化の取り組みの話でした。
アメリカやヨーロパなどでは普及しつつある公共交通機関のオープンデータ化ですが、日本ではまだまだ遅れているようです。
特に電車の運行データは利権が絡むためにオープンデータ化が難しいのですが、まずは地方のバス運行情報などからオープンデータ化しようと取り組んでいるようです。
発表者のオープンデータへの熱意が伝わってくる発表で、とても明快に説明されているのでオススメです。
OSM @ Facebook – Using AI & MachineLearing
FacebookでのOSM利用に関する発表。
Facebookのプロダクトでは至る所でOSMを利用しているようです。
世界全体では道路情報のカバレッジが低い地域があることに着目して、衛星写真をもとに機械学習を使ってOSMの道路データを追加していこうという取り組みでした。
タイの道路情報で実験しているようなのですが、細かい道路状態がきっちり認識できていて効率的でした。
今後他の国でも道路データを補完していくようなので、より詳細な地図情報が期待できそうです。
Solving Challenges using street level imagery
道路画像を画像認識し、OSM上のタグ抽出を行っているMapillaryの人の発表でした。
Mapillaryでは、ユーザが誰でも投稿可能な道路画像投稿サービスを運営しているのですが (GoogleのStreetViewに対応するようなサービス)、そのインドでの対応に関するものでした。
世界各国でみるとGoogleのStreetViewが対応していない地域はいろいろあって、その一つがインドであるようです。
所持の事情からインドにおいて、MapillaryでのStreetView表示がGoogle Street Viewより優っているようです。
インドの人口と相まって、スマホの所持数も年々増加しているのでMapillaryの取り組みは今後もインドで有効な成果を上げていきそうです。
全体的な感想
State of the mapに参加するのは初めてだったのですが、非常に国際色豊かなメンバーが参加していたことに驚きました。
各国で地理データ状況には大きく差異があり、抱えている問題も多様で興味深かったです。
各地のマッパー (地図を記録しOSMのデータ更新をする人) の熱意を感じることができたのも良い点でした。
OSMのデータやエコシステムがここにいる人達の努力で構築されているんだなぁと再認識しました。
おまけ
トイレもきちんとタグ付けされてる!
参加者全員に鶴ヶ城天守閣の無料閲覧チケットを配っていました。
城内部は歴史的な品々が展覧されており、説明も細やかで見応えがありました。
おわりに
今回のState of the map参加は社内制度のひとつであるキャリアアップ支援制度※を利用して実現できました。
相談にのってくれた関係者の方に感謝します。
※キャリアアップ支援制度について
モバイルファクトリーでは新たなスキルや経験を得ることで、
・自身のキャリアアップや市場価値の向上に繋げてもらいたい
・会社やチームへ貢献してもらいたい
という思いからキャリアアップ支援制度を実施しています。