こんにちは。モバイルファクトリー広報担当です。
先日発行した、「コーポレートレポート」から、事業部対談インタビューを公開します!
執行役員
大崎 有季也
2017年モバイルファクトリーに新卒入社。モバイルコンテンツ事業を担当した後、モバイルゲーム事業に配属され、マネージャーとして位置ゲームの成長に貢献。2022年1月にモバイルゲーム事業(位置ゲーム)の管掌役員として執行役員に就任。
モバイルサービス事業部 アシスタントゼネラルマネージャー
由井 和人
2018年、「人を楽しませる仕事に若いうちから主体的に関わりたい」とモバイルファクトリーに新卒入社。現在は「駅メモ!」の企画・立案や、それを実施するための組織体制づくりに奮闘。2024年2月にアシスタントゼネラルマネージャーに就任
地方自治体/鉄道事業者とコラボし独自の価値を創出
「駅メモ!」が持っている、モバイルゲームとしての優位性
大崎:
当社は、2009年からモバイルゲーム市場に進出し、2011年から位置ゲーム「駅奪取シリーズ」、2014年から「駅メモ!」を展開しています。ゲーム業界では、各社がユーザーの可処分時間※1である余暇の時間を取り合う競争をしていますが、位置ゲームの場合、他のジャンルと比べて「遊ぶ時間をあえて用意しなくても、生活の一部としてゲームを楽しんでもらいやすい」という優位性があります。通勤・通学といった日々の移動時間を利用してプレイしてもらえるため、継続率※2や課金率※3が高くなります。
由井:
プレイしてもらいやすい点に加えて、自分が訪れた駅や土地、旅行の思い出を記録するライフログ・ツールとしての要素を持つ点も強みです。2023年もライフログ機能の強化を行いましたが、ユーザーの反応が良好で、「思い出を記録できることが「駅メモ!」の大きな魅力なのだ」と、あらためて強く感じました。
大崎:
「駅メモ!」の業績は現在、非常に好調に推移しています。2022年12月期、2023年12月期と連続して過去最高の売上高を更新しました。コロナ禍を乗り越えて復活して、さらに成長に向かう状況を実現できたことに大きな手応えを得ています。
由井:
「おでかけをもっとたのしく。」をコンセプトとする「駅メモ!」が、そもそもおでかけが良しとされないコロナ禍でも、ユーザーの方々をつなぎとめられたのは、メンバーが一丸となって、「移動をしたらもちろん楽しい。でも、移動をしなくても楽しめる」にはどうしたら良いかに向き合い続け、企画の実施や機能のアップデートを行い、ユーザーにとって新しい体験を提供できたからだと思っています。
※1 可処分時間:生きていくうえで最低限、必要な食事・睡眠などの時間を差し引いた残りの時間
※2 継続率:一定の日数が経過しても、ゲームをプレイし続けるプレイヤーの割合
※3 課金率:ゲーム内で有料アイテムを購入するプレイヤーの割合
2023年12月期の取り組みと実績
由井:
2023年は、「駅メモ!」のプロジェクトマネージャーとして嬉しい出来事がありました。
JR東海とのコラボイベントとして実施したデジタルスタンプラリー「メロと巡る!飯田線の秘境駅旅」では、JR東海発表の「2023年度ゴールデンウィーク期間のご利用状況」にて、飯田線の2023年の利用状況が前年比155%、コロナ禍前の2018年との比較でも112%となっており、私たちが目標のひとつとする地域活性化への貢献ができたのでは、と考えています。また、JR東日本 千葉支社、日本郵便とのコラボで2020年から続いている江見駅(えみえき、JR内房線)を中心とするイベントでも、でんこ「友荷(ゆうに)なより」が「JR東日本 千葉支社公認『キャンペーンPR大使』」に就任し、駅の装飾やコラボグッズとして展開されるなど、「駅メモ!」の世界をより広めることができました。
大崎:
江見駅のイベントは、2023年で4年連続の開催となり、地域との関係が年々深まっています。「駅メモ!」をプレイされている方にとって、江見駅が一種の“聖地”のような存在になりつつあるのではないか、と感じています。これからも、鉄道事業者や地方自治体とのコラボイベントを積極的に展開していくことで、「駅メモ!」の“聖地”を全国に増やしていきたいです。
由井:
コラボイベントを通して「駅メモ!」が生み出した価値は、参加人数・経済効果・対象駅への訪問回数として算出しています。この数字は、コラボ先の鉄道事業者の力によるところもまだまだ大きいと思います。
大崎:
都市部から離れたエリアであってもイベントに参加してくださる熱量の高いユーザーを今以上に増やしていくことは、「駅メモ!」の今後のテーマのひとつです。そのために、よりユーザーが参加したくなるような訴求力の高いイベントの開催やIPとしての成長を目指していきます。都市部から離れたエリアのイベントに参加するためには、交通費や宿泊費が必要になる分、熱量の高いユーザーを増やすことができれば、経済効果はより大きくなっていくのではないかと考えています。
社会貢献と経済価値を両立しながら、「駅メモ!」の世界をもっと広めたい
10周年を機に、次の成長ステップへ
大崎:
近年は「駅メモ!」のコラボイベントについて、当社からアプローチしなくとも、各地の地方自治体や鉄道事業者の皆様から「協力してもらえないか?」と打診していただけるようになっています。
由井:
本当にありがたいことです。直近でいうと北陸新幹線の金沢駅(石川県)から敦賀駅(福井県)の延伸開業に合わせたイベントを計画していますが、この取り組みも2021年11月に鉄道・沿線観光地PRを目的とする連携協定を福井県と締結していたなどのご縁があって声をかけていただき、実現したものです。
大崎:
今後は、これまでに積み重ねてきた地方自治体や鉄道事業者の皆様との関係を大切にして、引き続き各地の活性化に貢献していくとともに、「各イベントの収益性の向上」が当事業の経営課題となります。
2023年に開始しているような、より収益性を高めた新形式のO2O※5コラボイベントの開発・改修をさらに推進し、確かな収益につなげていきたいと考えています。また、より大きな売上を得るために、2023年にコラボをしたTVアニメ【推しの子】のような、多くのファンを持っている人気IP※6との大型コラボも活発に行っていきます。これまでの活動を通して、多くのファンを持っているアニメキャラクターとの連携は、非常に大きな効果を生むことがわかっています。もちろん、他社IPの力に頼るだけでなく、「駅メモ!」自体の地力(じりき)を付けてユーザー数を増やす取り組みにも注力します。
由井:
今の話に出た「駅メモ!」のユーザー数の拡大は、私の一番のミッションです。
「駅メモ!」は、2024年6月に誕生10周年を迎えます。10年もの月日が経つと、どれだけ愛と熱量を持って遊んでくれるコアなユーザーであっても、新鮮味を感じてもらいにくくなったり、使い勝手が悪くなったりというところが出てきます。長期運営になっているからこそ、「駅メモ!」には変化が求められるのです。
「駅メモ!」10周年の節目に、今までとは違う体験を提供することで、ユーザー数を維持するとともに新規ユーザーを引き付けていきます。「駅メモ!」の新しい魅力をお届けしていきますので、ユーザーの皆様には大いに期待していただきたいと思います。
大崎:
新規ユーザーを拡大するにあたっては、「駅メモ!」の魅力を高めるとともに、大勢のプレイヤーがスムーズに楽しめるように、システム基盤を強固なものにしていく必要があります。「駅メモ!」は、当初の想定を超えて成長しているため、既存のシステム基盤では十分ではなくなってきています。2024年は、さらなる長期運営を見据えて、新しいプログラミング言語への移行検討などを含めた、拡張性の高いシステム基盤の構築を進めていきます。
※5 O2O(Online to Offline):インターネットなどオンラインからリアルな店舗などのオフラインでの消費・購買行動を促す施策
※6 IP(Intellectual Property):知的財産。主に特許権・著作権・商標などを指し、ゲーム業界ではキャラクターやタイトルなどがこれに当たる
ステークホルダーの皆様へのメッセージ
由井:
「駅メモ!」というコンテンツの価値を、ゲーム分野に留まることなく、広く世の中に広めていくことが、私の夢です。ゲームをプレイするユーザーの皆様だけでなく、たくさんの方々に旅行や通勤・通学といったさまざまな移動シーンで「駅メモ!」のキャラクターを見かけて、楽しい気持ちになっていただきたいと思います。そうした姿を実現していくために求められるのが、「駅メモ!」の成功体験にとらわれないチャレンジです。過去の成功体験からの脱却は容易ではありませんが、そういったチャレンジをし続けなければ、夢は実現しえないと考えています。
大崎:
「駅メモ!」が2期連続で過去最高の売上高を更新できたのは、いつも支えてくださってるステークホルダーの皆様のおかげです。心から感謝しています。
2024年、「駅メモ!」は10周年の節目を迎える中で、ユーザーの皆様が魅力として感じてくださっている点に一層、磨きをかけるとともに、未来につながる変化を創り出していきます。また、見えにくい部分とはなりますが、開発基盤の改善や、今後行われるAI研究を活用した業務効率化にも積極的に取り組んでいく所存です。皆様の目に見える成果となるように、しっかりと取り組んでいきますので、温かく見守っていただきたく、心よりお願い申し上げます。