位置情報連動型ゲーム「ステーションメモリーズ!」(略称:駅メモ!)のデザイナー、工藤哲也。入社1年目ながらベストクリエイター賞を獲得するなど、社内で高い評価を得ている彼は、なぜモバイルファクトリーを就職先として選んだのか――? その背景にあるストーリーをお届けします。
モバイルファクトリー初の「新卒デザイナー」が誕生するまで
工藤がデザインに興味を持ちはじめたのは、専門学生時代のことでした。もともと、映像系の学科に通っていた彼は、2年生のときに紙媒体のデザインを学べる学科に転籍しています。
「高校生の頃から趣味で映像を作っていたのですが、すごくうまかったというわけではなく……。専門学校に行ったとき、やはりレベルが違うなと感じました。それならば、別の得意な分野でスキルを伸ばした方がいいと思ったんです」(工藤)
転籍した学科で、工藤はグラフィックデザインの基礎知識を学習。制作物の発表などを通して、デザイナーとしてのスキルを高めていきます。学内のコンテストに応募し、アートディレクターとしてチームを率いて最優秀賞を獲得したこともありました。
しかしそんな工藤も、キャリアに対する意識は低め。周りの学生よりも一歩、二歩遅れて就職活動をスタートしました。
「両親が会社員ではなかったこともあり、“就職する”こと自体にピンと来ていませんでした。それに加え、デザイン事務所やソーシャルゲームの会社など、就職先の幅が広くて、自分が何をしたいか決めきれずにいたんです」(工藤)
周りから遅れをとってしまったこともあり、就職活動に本腰を入れる頃には募集を締め切っているところがほとんど……。工藤はとにかく、デザイナーを募集している企業を必死で探し、応募していきます。その中に、モバイルファクトリーも含まれていました。
実際に面接を受けた工藤は、位置ゲームの魅力に惹かれます。さらに「働きやすそう」というイメージを抱き、モバイルファクトリーで働くことを決めました。
しかし実のところ、当社では大々的に新卒のデザイナーを募集していませんでした。求めるスキルが高いため、あくまで中途採用が中心。新卒デザイナーの入社は、モバイルファクトリーにとって異例のことだったのです。
工藤は、他の学生とは明らかに異なる実績や経験を持ち合わせた“即戦力人材”であることが、作品ポートフォリオから見て取ることができ、特別に選考を進めることにしました。
オンライン・オフライン双方のデザインができるデザイナーに
「駅メモ!や駅奪取といった位置情報連動型ゲームに関心はありましたが、基本的にはどのサービスにも携わってみたいと思っていたので、入社にあたって『これをやりたい!』という強いこだわりはありませんでした」(工藤)
自分の世界観をサービスに落とし込むのではなく、サービス独自のデザインを作りたい。そう考えていた工藤は、自ら率先し、幅広く仕事に携わることを意識していました。
入社後、一定の研修期間を経て、工藤は駅メモ!のデザイナーとして配属されます。そして入社早々、学生時代に培った知識が活かされる機会がやってきました。
「駅メモ!では、リアルイベントの開催などでチラシやパンフレットが必要とされる機会がありました。学生時代に紙媒体のデザインを学んでいた私は、『自分が作ります!』と積極的に手を挙げたんです」(工藤)
他にも映画作品とのタイアップイベント、地方自治体やテーマパークとのコラボイベントも担当。グッズのデザインを行うなど、ゲーム内のバナー作成だけでなく、オフラインのデザインに積極的に従事するようになりました。
いつしか工藤は、社内で“代替不可能”なデザイナーとしての地位を築いていったのです。
「自分から何かのスペシャリストになりたい、と思ったことはないんです。とにかくいろんなことをやってみたい気持ちが強く、あれこれと広い領域に手を伸ばしていった結果、何でもできるようになっていった感じですね」(工藤)
先輩ばかりの環境で、積極的なコミュニケーションを心がける
幅広くデザインの仕事に携わるようになった工藤ですが、苦労したことも多々あります。紙媒体のデザインは得意でしたが、アプリやゲームに携わった経験はほとんどなかったからです。
「モバイルファクトリーでの仕事には、“エンジニア的な知識”が必要となるケースが多々あります。最初は、その知識を覚えてついていくのがとにかく大変でしたね」(工藤)
駅メモ!のデザインをしていくにあたって、チームメンバーとのコミュニケーションは必要不可欠。しかし工藤は、それまでエンジニアと関わる機会はほとんどありませんでした。そのため入社から半年ほどは、とにかく周囲に質問ばかり繰り返すことになります。
「仕事を進めていく中で何かわからないことがあれば、なぜこうなるのか、と何人ものエンジニアの人に原因を聞いて回り、少しずつ知識を身につけていきました。時間を割いて教えてくれたエンジニアの人たちには、今でもとても感謝をしています」(工藤)
この経験はデザイナー同士でのコミュニケーションにも活きており、全体のクオリティアップに寄与しています。先輩が作ったものにも、「ここをもう少し変えてみればいいんじゃないですか?」とコメントするなど、個人だけではなくチームを意識したデザインクオリティの向上に努めているのです。
「デザインの良し悪しは作った本人にはわからない。周りから何か言ってあげた方がクオリティをアップすることができるんです」(工藤)
ベストクリエイター賞を獲得、幅広いことができるデザイナーへ
積極的な仕事への姿勢が評価され、工藤は新卒1年目ながら、2015年度のベストクリエイター賞を獲得しました。
「入社して1年、そのうち半分くらいは周りの先輩たちから教えてもらってばかりで全く実績もなかったので、ちょっと驚きました。自分が賞を取れるとは思っていなかったですね」(工藤)
デザイナーとしてのスキルやクオリティはもちろんのこと、何よりも仕事と真摯に向き合う姿勢が、社内のよい手本となっています。しかし、まだまだデザイナーとしてのキャリアははじまったばかり。工藤が目指す理想は、ずっと先にあります。
「デザインで自分の世界観を表現したい、という人もいるかもしれませんが、それは芸術家やアーティストであって、デザイナーではないと思っています。デザイナーであるからには、ターゲットや目的にあったデザインを幅広くできたほうが、仕事の可能性も広がって楽しいんじゃないかなと。オンラインとオフラインどちらも、あらゆることに対応できるデザイナーとしてやっていきたいです」(工藤)
モバイルファクトリーには、オンラインとオフラインの両方に携われるさまざまな仕事があります。急成長している駅メモ!のデザイナーとして、工藤は今後どのように成長していくのか。今後の活躍に、大いに期待しています。
Text by PR Table