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右肩下がりから一転、V字回復ーー位置ゲーム「駅奪取」が歩んだ5年間の軌跡


ソーシャルアプリ事業・モバイルコンテンツ事業を手がけるモバイルファクトリー。日本全国の駅を奪い合う位置情報連動型ゲーム「駅奪取」は、私たちが大切にしている価値観「ありがとうで高収益を」を体現したメインサービスのひとつです。「おでかけを楽しくしたい」と立ち上がったゲームの5年間の軌跡をお話しします。

2011年、位置ゲーム黎明期に誕生した

位置ゲーム全盛の2016年現在。当社が手がけるものに限らず、さまざまな位置ゲームが存在していますが、5年前の状況は全く異なりました。

当時はまだ、位置情報を駆使したソーシャルゲームは非常に珍しい存在。前例が少ない中、日本全国の駅を奪い合う位置情報連動型ゲーム「駅奪取」は誕生しました。2011年、モバイルファクトリーがソーシャルゲーム事業に参入して1年が経った頃でした。

駅奪取は、マスコットキャラクターの「ニャッシュ」と共に、日本全国の駅を奪い合っていくというシンプルなゲーム。「毎日の通勤・通学で遊んでもらえるように」とユーザーの生活に紐付き、飽きずに長く続けていける設計になっています。

リリース直後はユーザー数に伸び悩みがあったものの、位置情報ゲームに慣れ親しんだユーザーのいるプラットフォームへの変更が功を奏して、人気ゲームに躍進。その後もニャッシュをグッズ化したり、飲食店との全国タイアップをしたり、さまざまな施策を積極的に展開してきました。

しかし、時代の変化に合わせてサービスを取り巻く状況は一変。駅奪取は時代に取り残されて、新たなユーザーを獲得できず下降の一途をたどることに……。

「これからどうしていくのか?」サービスの存続が危ぶまれる中、プロダクトマネージャー(以下、PM)として駅奪取をV字回復させ、再び成長軌道に乗せた人物が小林謙太です。彼はもともと、エンジニアとして本サービスの開発に携わっていました。

今も自分の中に生きている、先輩から教わったふたつの考え

 

「自分にはPMとして大事にしている考えがふたつあって。それは駅奪取を立ち上げたPMの先輩と、二人三脚でオンラインRPGを開発しているときに教わりました」(小林)

エンジニアだった小林が、PMという異なる領域で結果が出せた理由。それは先輩社員から、「何のためにコードを書くのか?」「てこが効くことをやろう」というふたつの考えを学んだからです。

「自分はコードを書くこと、そして書いていくうちにどんどんとモノができていく過程が好きです。でも、何のためにコードを書くのかという“目的”を意識すると、もしかしたらコードを書かずに問題を解決できるかもしれない。そう教わってきました。すると、モノの出来が違うし、半年後に『無価値なものを作ってしまった』と後悔することもなくなると思います」(小林)

小林はエンジニアからPMというキャリアを歩んでいますが、その先輩社員も同じようにエンジニアからPMという経歴の持ち主。お互いにエンジニアの仕事を尊重した上で、手段ではなく目的を大事にしています。

「駅奪取は長い間運営されていますが、他社サービスに比べてできていないことも多々あります。ただ、そのすべてをやるつもりもありません。手当たり次第に施策を実行するのではなく、駅奪取の成長に効果がある、つまりてこの効くことをやろうと、少ない労力で最大の効果を得ることを意識してきました」(小林)

立ち上げから5年。長い間、伸び悩んでいた駅奪取ですが、小林は先輩PMの考えを学び、自ら実行することで成果を出していったのです。

エンジニアからプロダクトマネージャーへ。立場が変わったからこその苦悩

鉄道フェスティバル2016にて
 
 
こうしてサービスをV字回復させた小林ですが、それまでの道のりでは、もちろん苦悩もありました。入社以来、彼はエンジニア個人としての成果を求められ、そして喜びを感じてきました。

「エンジニアとして働いていたときは、自分が書いたコードがきちんと動くことが嬉しかったですし、何よりサービスを完成させる過程を考えるのが楽しかったです」(小林)

しかしPMは、チームとしての成果が求められる仕事。エンジニアとして複数メンバーと開発することはあっても、さまざまな職種の人と一緒になって仕事をする機会は、それまでの小林のキャリアには一度もありませんでした。

PMとして、チームをまとめなければならない……。そこにこそ、彼の苦悩がありました。

「自分はコミュニケーションが得意ではなくて。頭の中で考えていることを相手がわかるように伝えることが苦手ですし、ときには相手が嫌だと思ってしまうことも言ってしまう。それが原因でチームの状態を悪くしてしまったこともあります。でも、どうしても『何のためにコードを書くのか』伝えて、『てこが効くことをやる』必要があった。だからこそ、今はエンジニアからPMへと視点を切り替えられるようになったんだと思います」(小林)

小林は、自身のことを「1年間で、最も失敗させてもらってる人」だと考えています。しかし、その失敗の積み重ねが駅奪取チームの生きた教訓となり、現在もサービス運営に活かされているのです。

駅奪取には、大きな可能性が眠っている

 
Japan Product Manager Conference 2016にて

 

小林が駅奪取のプロダクトマネージャーになったのは、2016年2月。最初は思い通りにいかないことも多く苦労もしましたが、今ではチームでサービスを開発し成果を出すことにやりがいを感じています。

「サービスを改善していくのはもちろんですが、チームが成長することで、駅奪取の可能性は伸ばしていける。その先には新たな事業を展開する選択肢もあるので、今が一番面白いフェーズかもしれないです」(小林)

チームで戦っていく基盤が整った現在、小林が見据えるのはサービスのさらなる成長・拡大。おでかけをするときに誰もが駅奪取を起動するーー。そんな世界観の実現を目指しています。

「位置ゲームには、大きな可能性があると思っています。立ち上げから5年が経過した今(2016年)も、できることがどんどん見つかっていく。そういう意味では、駅奪取ももっと改善できますし、もっと大きくできるサービスなんです」(小林)

5年という歳月が流れ、再び成長軌道に乗りはじめた「駅奪取」。だからこそ、今後の方向性を自分たちで考え、改善し、成果を出していく。そして、過程を楽しむーー。その姿勢こそが、「ありがとうで高収益を」につながっているのです。

 
 
Text by PR Table